こんにちは、一重瞼のひとえです。
私はお洋服をみるのが大好きなので、散歩がてら歩いて行ける駅ビルなんかをちょこっとのぞいたりするのが楽しみの一つなんです。
(駅ビルに歩いて行ける、なんて書くと、すごいいい場所に住んでるみたいですが、私は地方の中でも地方(大阪とかじゃなく)の田舎住みなので、こじんまりした駅ビルですよ。新宿ルミネみたいなのをイメージされるとまるで違うので念のため。)
最近、その駅ビルの中に好みの系統のお洋服屋さんが出来たので、嬉しい。と思いきや。
そのショップの店員さんがとにかく話しかけてくるんです。
私は、服の細かいところまでみて吟味して買いたいし、買うか買わないか迷うときも一人で手持ち服との組み合わせなんかを思い浮かべながらじっくり考えたいので、あまり店員さんとのおしゃべりはしたくないタイプ。
だから、話しかけられても出来るだけ最小限の返事しかしないようにしています。
そうすると勘のふつうな販売員さんは「あ、おしゃべりしたくないお客さんなんだな」と察して、あまり話しかけて来なくなります。
ですが。
その新しいショップでは、どんなにそっけなく返しても、商品の前でちょっと長く足を止めたり触れてみたりする度に、何度でも話しかけてくるんですよ。
だから、全然ゆっくり見られない。。
そして、話しかけてくる内容が、「それ、言われなくてもみたらわかりますよ。」と言いたくなる事ばかり。
もちろん、ハイブランドの高価格帯の店舗では、勝手に触らずいちいち店員さんにお願いして取ってもらい説明を受けながらお買い物するものなんでしょうが(そんなところには行かないし)、そこはごく普通の価格帯で、こだわりの店主がやっている系でもありません。
商品は見たいけど店員さんが嫌だからお店に行きたくない、という、その店員さん何のためにいるの?状態です。
少なくとも店にお客さんが行くのをためらう存在になるのって販売員の仕事じゃないですよね?(むしろ売上を落とすことに貢献している気が。。)
実は私は、20代の頃に百貨店なんかで販売員をしていて、自分はともかく周りに一流の販売員の先輩たちがいたので、人の接客に対してもすごくシビアな方だと思います。
だから、厳しすぎるのかもしれませんが。
定番の「ご試着できますよ~」なんて当たり前な声掛けするんじゃないよ!って言われていたし。
販売って誰にでも出来そうに見えるし、実際にお店によっては販売員にスキルなんて求めてない所も多いけど、プロの販売員は本当にプロです。
お客さんが店に入ってきた時の様子、店の中でどんなふうに商品をみているか?をジロジロ見ないようにしながら、ちゃんと見ています。
ただ、ふらっとみているだけなのか?
何かこんなものが欲しいという目的があるのか?
どんなものを好みそうなのか?
そういう事を見極めた上で、声を掛けるのに一番適したタイミングで、一番適した言葉かけをするのがプロ。
そんでもって、最初に声掛けした時の相手の反応で、さらに話を盛り上げるのか、深追いせずに必要そうな情報だけを伝えてまたひいておくのかも判断します。
おしゃべりを楽しみながら選びたい人、
自分の好みがはっきりしていてじっくり一人で選びたい人、
話すのは(買わなくちゃいけないようなプレッシャーがかかって)緊張するけど自分で選ぶのはちょっと自信がなくて本当は相談に乗って欲しい人、
今日は下見だからまだ買わないと決めている人、
など、色んな人がお店には来るのは当たり前。
特に駅ビルなどお店が集まっているところなら、他のお店に候補の品物があって迷っている人や荷物になるから後で買おうと思っている人もいるので、一度店を出ても後で再来店しやすい雰囲気を作るのもすごく大事。
(たまに試着した後買わないといきなり態度がそっけなくなったりする店員さんもいるけど、それやっちゃうと次がないのに、って思います。)
こんな教育を受けてきた私にとって、プロでない販売員さんのマシンガントークは、つらい、の一言なんですよね。
「私はあなたに話しかけられたくなくて、一人でじっくりみたいんです。静かにみせてもらえませんか?」と、はっきり言わないと伝わらないんでしょうけど、そこまで言わないといけないなら、もうそのお店に行くのやめよ。。
(いや、言ってみたい気もする。こういうセリフをいかに感じ悪くなくニュートラルに言えるかが、人間の成熟度を表す、ような気もします。。)
もしかして、ここでは店員さんとのおしゃべりがしたい人しかお客さんとして認められないのかもしれないし。。なんて、と思ってしまって。(それはさすがにない)
散財の機会が減ったと思えばいいんじゃない?
・・・などなど、心の声が渦巻く。
しゃべりたくないならネットで買えば、と思われるかもしれませんが、敏感肌民としては出来れば素材を触ってみた上で(特に冬ものは)買いたいんですよね。
それに、実際に足を運べる距離に行きたいお店があるなら、やっぱりお店に行きたいです、私は。
好きな服を実際に色々見て歩く時間自体が楽しいんですよね。
(ネットで黙々とみるのも楽しいけど、実物をみるのはまた違う楽しさがある。)
買い物には、モノを手に入れる価値以外に、その空間で選ぶ楽しみを味わう価値があると思うんです。話したくない時に余計な声掛けをしないでいてもらえるという事も含めて。
お店の入り口に「おしゃべりしたいマーク」「静かに一人で選びたいマーク」とか置いてもらって、入店前に胸にペタッと貼ってから入る、みたいなシステムはどうでしょう?
なんて。
そこまでしなくてもこちらのサインをくみ取ってくれる店員さんのいるお店で買い物したいな~
そして、間合いを心得た程よい距離感で接してくれる販売員さんがいたら、話しかけられるのもそこまで嫌じゃないだろうな~
今日の本
本を書いたり英国情報雑誌を発行したりされている井形慶子さんが、50代で始めた「よろず屋」のストーリーです。
いつか私もこじんまりとしたお店をやってみたい・・・!という想いがあるのでこの本に興味を惹かれて読んでみました。
本の中に『人生経験でこなす本格的接客仕事』という章がありまして、今回の記事に通じるものが。
井形さんのお店では、そのキャリアの中で育んだコネクションや情報収集力を生かして日本国内の他の店ではなかなか手に入らないものを扱っています。
だから、ある意味接客に気を遣わなくても、他の店でなくその店に足を運んでもらい、商品を買ってもらえる価値を持っている訳ですよね。
でもそこにあぐらをかかずに、どんな接客をしたらいいのか?ちゃんと考えていらっしゃる。
お店の魅力ってやっぱりモノだけではありえない。
お店に居る時の空気感が帰ってきてからも残るし、買ったモノを手に取るたびにそれがよみがえったりもします。
その空気感を作るのは、モノ+人だよな~
いい空気を持って帰れる、そんなお店で買い物を楽しみたいものです。
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